神崎探偵事務所へようこそ!!

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その日の放課後


「ミュー!!
迎えに来たぞ~っ!!」


いつものごとく満面の笑みで
私を待ち受けていた
私の恋の天敵、神崎聖哉(27歳)


私は心の中に芽生えた
打倒意識をひた隠しに隠して





いつもの笑顔で


「あ、ありがとっ!!」


と、聖ちゃんの差し出したメットを受け取る。






「おかえり、ミュー。」





そんな私を見て聖ちゃんはニッコリ笑うと
止めていたバイクにまたがり、ブオンと
エンジンをつける。




――しょ、勝負はココからだ!!




なんとかカンのいい聖ちゃんを騙しきって
家まで帰りきらなきゃならない。


ちょっとでも変なそぶりを見せたら
また私の恋路は邪魔される!!!





ミキちゃんとお母さんに相談するまでは
ぜっっったいに、合同デートのコトは
勘付かれちゃいけない!!


特に今、私の目の前にいる
大魔王・神崎聖哉には
絶対に知られてはいけない!!




知られたが最後……




『コロース!!!
ミューをたぶらかした男どもは
絶対にコロース!!!!』




目の前にいるコノヒトは
大騒ぎをするに違いない……。





私はヨシと覚悟を決めると
聖ちゃんのハーレーにヨイショと
またがる。





そんな私を確認すると、
聖ちゃんは


「ミュー、ふり飛ばされんなよ。」


と微笑んで、私の体をいつものように
引き寄せた。





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