強引男児




あたりは、静まり返り
クラスの全員が私の発言に
注目した。





「でぇもぉ
赤神先輩はぁ、繭美さんの
ことが好きだからそういうこと
言うんじゃないっ?」

「そうよねぇ」

「どんなアプローチしたのよぉ?」




あぁ!もう、うっさいし
しつこいし気持ち悪いし‥

おっきなため息をついて
女子集団のなかをすり抜けて
廊下にあるベンチに行った。




「はぁ、とんだ災難だ。」

「本当は嬉しいんじゃなくて?」

「え‥!だれ?」

「俺は隣のクラスの湧羽の弟。」

「湧羽って‥‥
あんた、ヤンキーの弟?!」

「うん、そ。」



黒縁メガネをかけた
あのヤンキーとは真逆な
紳士的で優しそうな顔。
だけど雰囲気は少し似てる‥


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