マイハニー
「ところでさ、英語の訳やってきた?」

「やってきたけど」

「写させて?」

「いや!!」

よかった!岡田くんとまた普通に喋れて。
「お願いだからー」と言う岡田くんの横顔を見たら
唇の端に絆創膏が貼られているのに気がついた。


「どうしたの?ココ」

「あぁ・・・コレ・・・タクミさんに会った時に・・・」

「もしかしてお兄ちゃんがやったの!?」

「や、でも俺が悪いんだし。真剣に怒られたよ・・・
妹を泣かすな、って凄い剣幕だったよ・・」

「お兄ちゃんったら・・・ごめんね?」

「殴られて、サヤの気持ち解ったし・・・
俺こそごめん・・・ちょー痛かったけど・・・ね」


と照れたように笑う岡田くんに、英語のノートを渡すと
「サンキュー」と早速写し始めた。


お兄ちゃんの指の関節の傷はこの時のだったんだ・・・。
ったくもう。
呆れるのと半分、なんだかこそばゆい気持ち。
私の代わりに殴ってくれたんだね。
言ってくれたらよかったのに、
言わないところがお兄ちゃんらしい。

ありがとう。
いっぱい、ありがとう。
だいすき。

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