マイハニー
日は過ぎて、私は受験勉強の追い込みが始まった。
土日のどちらかは模試があったり、図書館で勉強したり
週末もあまり家にいることが少なくなってきた。

苦手だった数学は、お兄ちゃんのお陰で成績が上がった。
お兄ちゃんは、理系の、
私が何度聞いても覚えられない名前の学科を専攻していて
数学は一番得意なんだって。
どうしても数字が弱い私に、
ママが「タクミくんに教えてもらったら?」と提案し
夕食とお風呂を済ませると、どちらかの部屋で
お兄ちゃんの家庭教師が始まる。
一緒にいる口実ができた。



「サヤさー、風呂上りとはいえ、
ブラくらいつけろよ~気になっちゃうだろ?」

「み、見なきゃいいでしょっ」

「一応さー、ココ密室なワケ!
男と女が二人っきりなワケよ!わかる?」

「でも無理やりはしないんでしょ?」

「オマエねー・・・俺がどんだけ苦労してるかわかってる?
すっげー我慢してんだから・・・仙人にもなれるっつーの」

「そ、そうなの・・・?」

「そうだよっ」


大きく溜息をついて、机に突っ伏したお兄ちゃんを
覗き込んで「辛い?」と聞いた。
お兄ちゃんはじろっと私を見て
「まぁ・・・やりたい盛りだし?って・・・冗談だよ」
と笑った。


「そんな顔すんなって・・・じゃぁ・・・やる?」

「えっ・・・ま、待って・・・心の準備が・・・」

「やるって勉強なんっすけど・・・
あ、もしかしてエッチなこと考えてた?困るなぁ・・・受験生が」

「今の話の流れからしたらそう思うでしょっっ!!」

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