マイハニー
ベンチに座っていたら、お兄ちゃんがスポーツ飲料を買って、
私の首のところにピトッとくっつけた。
キャッと首をすくめる。


「お兄ちゃんはよくここ来てるの?」

「泳ぎにはたまに来るかな」

「プールかぁ…」

「カロリー消費したいんなら水泳の方がいいじゃね~の?」

「そっかぁ…じゃあ今度来てみようかな」

「女の子ってなんでそんなに気にするもんなの?別に太ってないじゃん」

「気にするの!こことかさ~ぷにぷにするし…」


私が自分の二の腕をつまんで見せ、
お兄ちゃんの盛り上がった腕をつつくと
ぐっと筋肉に力を入れた。
カチカチになった腕を撫でて
わ~スゴい!と驚いていたら、
お兄ちゃんが真面目な顔をして言った。


「親父が気にしてたぞ?飯食わないって、オマエのママも」

「もぅ大袈裟だなぁ」

「あんまり心配かけんなよ」


はーい、と片手を上げ、おどけて返事すると
よし、とお兄ちゃんは頭をぽんぽん軽く叩いて、立ち上がり
「俺も走ってこよっと」
とランニングマシンの所に行った。

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