マイハニー
ベランダに出て洗濯物を干す。
ピンッと皺を伸ばして、ハンガーにかけたり、
ピンチで留めたりする作業は無心になれる。

お兄ちゃんのシャツを手に取る。

試験が終わったらどっか連れてってくれるって
言ってたのにな・・・嘘つき・・・。


「おねーさん、人のパンツ持って何の妄想中?」


後ろから声がした。
わっと驚いて慌てて振り返る。
シャワーを浴びたばっかりのように見えるお兄ちゃんが
サッシの所に座って見ていた。

「こっち、おいで」

両手を広げて待っている。
私はお兄ちゃんの膝の上に向かい合わせになるように座り、
ぎゅっと抱きしめられた。
私の洗い髪を撫でる。


「風呂入ったんだ?・・・俺も誘えよ」

「何言ってんの・・・それにいると思わなかったし・・・」

「試験、どーだった?」

「多分大丈夫」

「そっか・・・おつかれさん」



お兄ちゃんは優しくフッと笑って頭を撫でてくれた。
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