マイハニー
私たちは秘密をいっぱい持つ。
お父さんとママの前では慎重にそして大胆に。


お兄ちゃんが深夜遅くバイトから帰ってきたのを待つ。
バスルームに入ったのを見計らって、私も滑り込むように入る。
びっくりした顔のお兄ちゃんを見て、ほくそ笑む。


「ちょっ・・・何入ってきてんだよっ」

「いいでしょ、背中洗ってあげる」


スポンジにいっぱい泡立てて、背中をこする。
首、耳の後ろ、肩、二の腕、脇。
いきなり、ぐいと掴まれて、振り向き、唇を犯される。
後ろに向かされてやられると
漏れる声がバスルームに思った以上に響く。
口を押さえられながら、めちゃくちゃに突かれて
背中に出した。
お兄ちゃんが「ごめん」と小さな声で言う。
謝らなくていいのに、って思った。


ずっとこんな風に暮らしていくんだと思っていた。
春からの私の生活にお兄ちゃんがいなくなるなんて・・・
そんなの思いもしなかった。

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