マイハニー
帰り道、お兄ちゃんの後ろに付いて歩いていたら
心配そうに振り向いて
「歩ける?」
と私に聞いたから、こくんと頷く。


「お兄ちゃん」

「あ?」

「あの、助けてくれてありがとう」

「ああ、オマエな、泳ぐ前にちゃんと準備運動やったか?」

「…やってない」

「ちゃんとやんなきゃ危ないんだから」


お兄ちゃんは大きくため息をつき、
「もう一人ではプールに行ってはいけません」
と言った。


「え~せっかく慣れてきてだいぶん泳げるようになったのに」

「行く時は俺を誘え」

「お兄ちゃんを?…なんか保護者みたい」

「保護者だよ!オマエになんかあったら、オマエのママが悲しむだろ?」

「う…わかった」

「でもなぁ~もうちょっとある方が好みなんだよなぁ」


最初何を言ってるのかわからず
?マークで頭がいっぱいだったのだけど
お兄ちゃんが自分の胸の所で
手を丸めて
「これぐらいかぁ」と確認しているのを見て、
私は赤面し、もうっ!とお兄ちゃんの背中を叩いた。
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