マイハニー
夕方5時を回ると落ち着かない私がいた。
何度も鏡を見直す。
お化粧、濃すぎないかな・・・?
髪型はおかしくない・・・?
バッグはこれでいい・・・?
眠れなかったせいでできてしまったおでこのニキビが気になる。

6時ちょっと前に玄関のチャイムが鳴ったのが、
2階の、私の部屋にまで聞こえた。

ママがテンション高く、喋っている。
それに応えているお兄ちゃんの声。
そして階段を上ってくる足音。

心臓が破裂しそうなくらいドキドキした。

部屋をするノックの音。


「サヤ、用意できた?」

「・・・うん」

「車で来ようと思ったんだけど、電車にしたから。暖かい格好していけよ」


なんだかすごく緊張して目が合わせられない。
ちゃんと顔を見たいけど、
目線を少しずらしてしまう。
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