マイハニー
久しぶりのお兄ちゃんは、
私は初めて見るスーツ姿で、
少し痩せた?
雰囲気は大人っぽくなった様子だけど、
声は私の耳が記憶する、あの大好きな声。
変わっていない。


「この部屋・・・変わんねーな・・・」


とお兄ちゃんはキョロキョロ見渡して
椅子に腰を下ろす。


「あ、でも置いてあるもんがどことなく女子大生っぽいか」


と、いくつも置いてあるブランドもののバッグを見て、薄く笑った。
私はなんだか恥ずかしくなった。
別に欲しいわけじゃないけど、集まってしまったバッグ達。
バイトしたお金で買ったり、付き合っている男の子達に貰ったり。
お兄ちゃんは、そういうのを全部見透かしているかのようだった。


「じゃ、そろそろ行くか」 とこちらを振り返った。
私は「うん、」と頷いた。


でも、どこに?
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