マイハニー
髪の毛をヘアゴムで頭の高いところでまとめて、お湯に浸かる。
足をおもいっきり伸ばす。気持ちいい。

雲の中に浸かっているような感覚にうっとりする。
うーんと伸びをした時、お兄ちゃんがバスルームに入ってきた。
ちゃぽんちゃぽん、とお湯に入り、
後ろから抱きしめられる形になる。


「もう仕事いいの?」

「うん、明日休むって連絡入れといた」

「え?じゃぁ明日もずっと一緒にいられるの?」

「嬉しそうな声出すねー?」



「嬉しいもーん」と言うと、お兄ちゃんが私の肩に顎をのせて苦笑した。
顔は見えないけど、眉を下げて笑っている、あの大好きな顔だ。


私は泡の中から足を出したり、して遊ぶ。
水鉄砲を作って、お兄ちゃんに水をかけたり、
ぱしゃぱしゃと子供のようにはしゃいだ。


「このお風呂殺風景だから、今度おもちゃ持ってきてあげるねー」


いいよ、そんなの、と言うけれど、
ここにアヒルやイルカのキュウキュウ鳴くゴムのおむちゃを浮かせて
一緒に遊ぼう、と思う。
そうだ、明日、ソニプラに買いにいこうかな、なんて。


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