マイハニー
「行ってきます」

玄関からママに声をかけると

「忘れものないー?」

なんてのん気な声が返ってくる。

もう~、それどころじゃないんだってば。
足早に家を出た。


駅に向かう途中、後ろから「ちょっと待てよ」という声が聞こえた。
「駅まで一緒に行こうぜ」お兄ちゃんだ。


「・・・」

「なに?朝のことまだ怒ってんの?」

「だって・・・」

「別に恥ずかしがんなくったっていいじゃん。 兄と妹なんだし」

「・・・うん・・・ま・・・そりゃそうだけどさ・・・」


私が考えすぎなのかな?
そうだよね、兄妹なんだし。
学校に行ったら岡田くんに会えるんだし
もう朝のことは忘れよっと。
< 33 / 200 >

この作品をシェア

pagetop