マイハニー
教室のドアを開けたら、まだ早めなのか誰も着ていない。
かばんの中からポーチを取り出す。
この間ちょっと切りすぎた前髪・・・。

失敗だったなぁ。

濡れたまま切ったのが失敗の要因。
鏡に映った前髪を気にしていると、
鏡にドアが開くのが映った。


「・・・はよーっす」

「あ・・・おはよー」


きゃ~岡田くん!!!
早めに来てよかった~!

慌てて鏡をポーチに片付ける。
岡田くんは私の隣の席にかばんを投げ出して
椅子に座った。

「ん・・・?オマエ、ミカン食った?」

くん、と鼻を動かし、私を見て岡田くんが言う。


「は?・・・あー、違うよ!!! いい匂いでしょー!
 これねー、この間買った石鹸の匂いだよ」

「へぇー。なに、野崎って、朝シャンとかしてるワケ?」

「悪い?」

「べつにー」


何よ・・・!
誰のために早起きしてお風呂に入っていると思ってんのよ!

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