マイハニー
ソファーに座っていた私の隣にお兄ちゃんが座り、
ピタッと横についた。


「ほら例えばさ、こうやってテレビ観てるとするだろ?」

「うん」

「で、岡田はオマエの手にそっと手を重ねてくるわけ」


お兄ちゃんの手が私の膝に置いた手の上に重ねられた。


「で、こうやって繋いでくる、と」


私の膝の上で手が繋がれる。


「オマエはそこで握り返さなきゃいけない」

「う、うん」

「そしたら岡田は大丈夫かなと思って、もっと大胆になる」

「…うん」

「こんな風に腰に手を回して…」

「…うん」

「ぐっと引き寄せてくるから」

「…んん」

「そしたら…顔を見て…」


お兄ちゃんの顔を見上げると、
真剣な眼差しで私を見つめている。

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