マイハニー
濡れた髪の毛をタオルで巻いて、
キッチンに行ったらきれいに片付けられていた。

「洗ってくれたんだ・・・」

冷蔵庫から冷えたウーロン茶をグラスに注ぎ、
2階に上がり、お兄ちゃんの部屋をノックする。
お兄ちゃんはベッドに寝転んで雑誌を読んでいた。

あの例のやらしーやつ。

私はあまりそっちを見ないようにしながら、
くるくる回る椅子に座って、ウーロン茶を一口飲んだ。
雑誌に目を向けて、私の方に顔を上げないお兄ちゃんに話しかける。


「お風呂上がったよ」

「あー、わかった」


雑誌にまた目を戻したお兄ちゃんに

「早く入らないと、お湯冷めちゃうよ」

と小声で言った。


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