マイハニー
岡田くんの部屋―――。
部活・・・サッカー関係の雑誌が本棚に並び、
ヨーロッパのどこかのチームのユニフォームが壁に飾ってある。
紺色のチェックのカバーが掛かっているベッドを背もたれに
フローリングの床に座りこんだ。

岡田くんが、出て行って、部屋に1人になった。
しん、とした部屋に時計の音だけが響く。
男の子の部屋かぁ。
お兄ちゃんの部屋とは雰囲気が違う。
乱雑に置いてある雑誌や、並べてあるCD、
掛かっている洋服の趣味も全然違った。


オレンジジュースが入ったグラスを2つ持って
部屋に入ってきた岡田くんが私の隣に腰を下ろした。


「ありがと・・・」

「ん・・・」


沈黙になり、緊張する。
手持ち無沙汰なのか岡田くんは
グラスの中の氷を1コ、口に入れて転がしている。
時間が遅すぎるくらいゆっくりと過ぎる。
岡田くんの方を見ると、彼もじっと私の方を見ていた。
緊張した空気を壊したくて、私が口を開いた。


「あ、あの・・・」

「さ、サヤ・・・」


岡田くんはいきなり私の肩を掴んでキスをしてきた。
岡田くんの唇・・・口の中の氷でとても冷たい・・・。
彼の舌が無理やり私の唇をこじあけようとする・・・。
や、やだ・・・。

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