マイハニー
お兄ちゃんが大きく息を吐く。


「サヤ･･･アホだな･･･オマエ･･･
男んちにノコノコ一人で行くんじゃねーよっ･･･
下心アリアリなの決まってんじゃん」

「だって･･･そんなのわかんないよ･･･もう･･･
お兄ちゃん･･･帰ってくるの遅いよ･･･ずっと･･･待ってたのに･･･」

「ごめん･･･な･･･」


お兄ちゃんは抱きしめてくれながら
頭を優しく撫でてくれ、おでこに口付けた。

伝う涙を拭ってくれる長い指が、今私にとって一番必要なものだと感じる。
お兄ちゃんは私の目をじっと見ながら言った。


「サヤ･･･こんなことで男不信なんかになるな･･･
俺みたいな･･･男だっているんだから･･･さ･･･」

暗闇の中、私を抱き寄せた･･･。
そしてお兄ちゃんの唇が私の唇に優しく、そっと触れた。


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表紙・目次

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