マイハニー
「眠れない・・・もう少し一緒にいて・・・」

恐る恐る言ってみると

「・・・しょうがないな」

と、優しい声が返ってくる。


「・・・腕枕」
「・・・え?」
「・・・腕枕して欲しい」


立ち上がっていたお兄ちゃんがどすんとベッドに腰掛ける。
私の頭をゆっくりと撫でる。


「甘えっ子だな」
「ダメ?」
「ダメじゃないけど・・・」


そっと私のベッドにお兄ちゃんが入ってきた。
そして私の頭の下にすっと腕を差し入れる。


「あったかい」
「俺がこんなにサービスすんの、今日だけだぞ?」
「そーなの?」
「そーなの!女は甘やかさない主義だからな!」
「妹には甘いね?」
「・・・妹・・・か・・・そうだな・・・」


その後もポツポツと話したけど、何を話したか覚えていない。
お兄ちゃんの腕枕、耳に聞こえる心臓の音、
おでこにかかるお兄ちゃんの吐く息・・・体温・・・
全てが心地よくていつの間にか眠ってしまっていた。

朝起きると、隣にお兄ちゃんはいなかった。


< 81 / 200 >

この作品をシェア

pagetop