マイハニー
着替え直して、顔を洗う。
目は少し赤いけど、瞼は大丈夫そう・・・かな。

髪の毛を適当にバレッタでまとめる。
玄関を出ると、お兄ちゃんが車を出して待っていた。

車は海岸線を走る。
少し遅めのランチはアメリカンサイズのハンバーガー。
噛むと炭焼きのパテから肉汁が染み出てくる。
レタスとトマトもたっぷりで美味しい。
自家製のピクルスの甘酸っぱさがいいアクセントになっている。

オープンテラスのシートに向かい合わせで座って、
冷たいコークを飲んだ。
赤いギンガムチェックのテーブルクロス、白いスクエアーのお皿、
ぽってりしたタンブラーに刺さった緑のストロー。
B.G.Mは波の音。

「よくこんなお洒落なお店知ってるね?」

「ま、学生はヒマだからね・・・それなりにいろいろ情報網張って、
押さえておくわけよ」

「ココ彼女とも来たの?」

「いや、あいつはもっと高級なフレンチとかイタリアンとか
そんなとこばっか連れてったかな・・・」

「私もそんなとこ行きたい!」

「何言ってんだか、中坊が。まだまだ10年は早いっつーの」

「じゃぁ10年後連れてってくれる?」


お兄ちゃんはふっと笑って「考えとく」だって。
< 84 / 200 >

この作品をシェア

pagetop