マイハニー
「お兄ちゃんが原因?」


お兄ちゃんの足に掘った砂をかけると、
お返しに私の足にもかけられる。


「原因かぁ・・・確かに俺かもなぁ・・・」

「何をやったの?」

「お互い忙しくなって、すれ違うようになって、
 大丈夫だろうって放っておいたら、別れようって」

「後悔してる?」

「んー・・・そうだな、別れたすぐは後悔した、かな」

「今でも好き?」


私の質問に「もう過去の話だよ」と言って優しく笑った。
トンネルが貫通した。

「あ」

砂の中でお兄ちゃんの手を見つけると、握ってきた。
嬉しくなって、私も握り返す。
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