マイハニー
もう一方の手・・・
細長くて神経質そうなひとさし指が私の唇をこすった。
顔が近づいてくる・・・瞼をそっと閉じる・・・。
優しく触れた・・・かと思うと、そっと舌が入ってきた。

どうしたらいいんだろう・・・どう応えたらいいの・・・?

分らないなりに舌を動かしてみる。
それに合わせてお兄ちゃんの舌もぬめぬめと動く。
歯の裏を舐められたり、上顎を突かれたり、
お兄ちゃんの舌はよく動く。

キスって・・・こんなに気持ちいいの・・・?
岡田くんのそれとは全然違った。

唇と唇の隙間からため息がこぼれる。
それを合図に、お兄ちゃんの右手が私の胸に置かれ、
おそるおそる動かそうとしていた。


「イ、イヤ・・・」


怖さが先に立ち、小声でそう言うと
動きが止まった。


「あ・・・ごめん」
< 92 / 200 >

この作品をシェア

pagetop