マイハニー
「おめでとう」

「何が?」

「お誕生日でしょう?」

「ああ、そっか、すっかり忘れてた」

「20歳?大人だねー」

「もうこれでサヤに咎められずに酒が飲める」

「私が何を言っても飲んでたじゃん」


あはは、と笑うと「バレた?」とおどけて言った。
私は後ろに置いてあった包みを指差して


「これ、プレゼント」

「そうだったの?なんだ?このでっかいの、と思ってたんだ」

「ちゃんと使ってね」

「何?」

「開けてからのお楽しみ」

「ふーん、楽しみだな、なんだろ?」


お兄ちゃんは私の頭にぽんぽんと軽く手を置き「ありがとう」と言って
信号が変わり、アクセルを踏んだ。
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