私は悪魔に恋をした。
綺麗ってのもあったけど…羨ましくてしょうがなかった。
千絵たちに私とシキを重ねては、寂しい思いが私の中でじわりじわりと範囲を広めた。
式が終わってから、私は家へ戻った。
「千絵…綺麗だったな…。私もシキとあんなふうになれるかな…。」
着替えもせず、電気もつけずに真っ暗な部屋で、ベッドに倒れこんでいた。
寝転びながら、シキのように空中に手をかざしてみる。
「…。」
ははっ…扉なんて出てくるわけないか。