アダルトチルドレン
「もうすぐお店閉めるから喜代連れて来て」

ボックス席からママの声が聞こえた

「はい。了解です」

私は隣の店へ行って喜代さんを見つけると
中までズカズカと入った
「もうお店閉めるから戻って来て」

「んん、わかったよ〜。今チェックしたから一緒に戻ろう」

喜代さんはいつもの調子で酔っていた

私は店を出るときそこのお店のママに軽く挨拶をした

「ほら、喜代さん行くよ」

喜代さんの腕をガッチリ掴んで自分の店へ戻ろうとした途中、

階段の人気のないところで喜代さんは立ち止まった

「…どうしたの?」

「ユキ、ちょっとだけ二人きりになりたい」

そのセリフに私の中でずっと押さえていたものが一気に爆発する
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