アダルトチルドレン
それからは連絡も取ることもしなかった

喜代さんが残していった荷物をまとめた

喜代さんが若いときのアルバム、Tシャツ、クリスマスの時にあげたプレゼントの空き箱

ひとつひとつ丁寧に紙袋に入れた


ただ虚しさでいっぱいだった

喜代さんのTシャツを抱きしめた

ただ、喜代さんを



想うだけ
泣くだけ



帰って来るのを待つという事はしなかった



期待したら余計に悲しいだけだから



また 生活が喜代さんと出逢う前に戻った

ただひたすら働いて、
寝て ご飯を食べて……

また ひとりの夜を 喜代を恋しいと想っては泣いて乗り越えた






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