学舎ハーレム
放課後



幸大は甲崎の家のインターホンを押した。


バンッ、

いきなりドアが開いた。


「し、社長…」

甲崎の顔が青ざめていた。

「どうかしましたか?」

「む、娘たちが誘拐されました!!」



「取り合えず、中に入れてください!」





「犯人から電話が有りました。

約束の金さえ用意すれば無事に娘たちは返す…と。」

プルルルル…

電話が鳴る。

「あ、電話にこのマイクとスピーカーを繋いでください。」

幸大はアタッシュケースから小さな機器を取り出した。

『金は?』

「…金は、その…」

甲崎は幸大を見る。


カチャッ、

幸大は持ってきた持ち歩いてる物よりも大きなアタッシュケースを開けるとそこには大量の札束。


「金は用意した。」


『そうか。

明日、港付近にある元の塗装工場だった廃工場に金を持ってこい。


それから警察には言ってないな?』


「当然だ!」


トンッ、トンッ、

幸大は一枚のカンペを出す。


「金は代理人を立てたい。」

『何だと?』

「わ、私はそれなりに有名な企業だ。

マスコミだってたまにまとわりついている。

金を渡すときにマスコミにバレれば警察に連絡が行ってしまう。

私は何よりも確実に娘たちの命を救いたい。

だから代理人を立てたいんだ。」
< 111 / 251 >

この作品をシェア

pagetop