学舎ハーレム
「幸せとは些細なことなのかもしれない。

例えば猛暑日の今日この頃。

水に浸かって涼むことができるのが幸せか…


いや、違う。

真の幸せとは…


この素晴らしい景色だ!!」

今日はプールの授業。

朝日が叫ぶ。

「絶景、絶景!」

幸大も言う。


「…ねぇ、朝日?」

朝日の後ろに忍び寄る影。

朝日と幸大はプールサイドギリギリからプールを軽く見下ろす位置にいたが…


ドボンッ、

「な!?

朝日が真知に変わった!?」

幸大が絶景に気をとられていた間の出来事だった。


「ブバァ゛!?

真知、何すん…」

「トリャァッ!」


ドボンッ、

「ゴベブバ!?」

真知が飛び込むと朝日が水の中に消えた。


「ア゛バァ!


ゲホッ!

水を飲んじまったじゃねぇか!」

朝日が真知に言う。

「なぁ、朝日。

今日プールに水が入れられてからプールに入った男子はお前だけだぞ?」


「と言うことは…

女子のだし汁!?」

「だし汁って言うなよ。」

幸大が突っ込む。

「何だか、このプールの水を全部飲めるかも!」


「…ふぅん?」

隣に立つ真知のひきつった笑い。

「ま、真知?」


ザバッ、

「宣言通りにさっさと飲みなさいよ。

ほら、早くしないと溺れるわよ?」


ゴボゴボ…

真知は朝日の頭を後ろから押さえ付けてプールに顔を沈める。
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