学舎ハーレム
「コール、といきましょうか。」


幸大が言う。

「ワンペアです。」

「…。

ツーペアで俺の勝ちです。」


「…。

そんな都合よくはいきませんよね…


せっかくチャンスをいただけたのに。」


「会社は買い取ります。

会社を売ればさらに借金は減りますよ。

とは言っても残る借金は億単位ですが。」


「…。

なぜ、これほどの温情を…」


バァンッ、

勢いよく扉が開く。

「幸大さん、お待ちなさい!」

「麗美!?」

「麗美…部屋にいなさいと…」

「いいですよ。

で、何か用か?」

「私ともポーカーをしていただきますわ!」

「お前、最初から見てたな?

賭けの話は最初にしかしてねぇんだ。

ただの遊びで挑むわけじゃねぇし。

賭けをしたいんだろ?」


「そのとおりですわ!」


「だがな、それは無理だ。」

「なぜですの!?」

「だって、お前が勝ったら何を望む?」


「会社を立て直すだけの投資を御願いしますわ!」


「悪いが、その会社はすでに俺のモノだ。

賭けの不成立。」

「な!?

では会社を賭けて…」

「それで勝っても投資をしない。

結局倒産する。」


「な!?

どうすれば…」
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