学舎ハーレム
「朝日、このメンバーに隠す必要はないだろ?」

幸大が言う。

「何の事?」

皐が言う。

「秘密基地を探してるんだよ。」

幸大が言う。

「秘密基地を学園で…ですか?」

閖が言う。

「ああ。

見てみな。

これは現在の学園の見取り図。

そして昔の見取り図。


ほら、使われてない教室が隠されてるだろ?

他の教室を見取り図の上では大きくしてる。

この昔の見取り図から今の見取り図に変わるまでに改修、改築、立て直しはなかった。


それから、ここ。

今も昔も空きスペースだろ?

中は空洞。

恐らく、教室用に枠組みは作ったが実際には使わないから入り口を作らずに置いといたってところだな。


学校には必ず、入り口がない空洞の場所が存在する。

それから誰も使わず放置された教室。


見取り図にはのらない隠された教室。



それらを俺たちの秘密基地にするのさ。」


「でも、教室の鍵もないし、それに入り口もない教室なんて…

どうやって入るんですか?」

夕日が言う。


「ついてきな。」

幸大たちは資料室を後にする。


「ここ。」

幸大が扉を指差す。

「たしか、ここって鍵がなくて使われなくなったって。」


「見取り図では載ってないだろ?

ここの教室の分も隣の教室として書かれてる。」
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