学舎ハーレム
その後


当然、警察沙汰になった。

だが…


「君たち二人は共犯なんだね?」

幸大と朝日はこの頃中学一年

若さもあり、取り調べではなく事情聴取であり特例として二人同時に行われた。

「は…」

「違います。」


幸大は朝日の言葉を遮る。

「な!?

幸大!」

「待ちなさい。

幸大君、君は共犯ではないと?」

「はい。」

「なぜ?」

「こいつは…朝日は俺の子分です。」

「…つまり朝日君は幸大君の命令に従っただけだと?」

「はい。

これを。」

幸大が差し出した一枚の紙。


『誓約書

私、結城朝日は一生涯岡田幸大の子分であることを誓います』

「自署も印もある。」


「…。

確かに。

だが…」


ガチャッ、

ドアが開く。

「あの…」

入ってきた男は何かを耳打ちした。

「…わかった。」


「では。」

男は出ていく。

「ふぅ。

君たちは釈放だそうだ。」







「幸大!」

外に出て行きなりの怒号。

「ん?」

「お前は子分とか言って俺を庇っただろ!」

「庇った覚えはない。

朝日が子分なのは事実だろ?」

「さて、帰るかな。」

幸大はアタッシュケースを一度振り回して歩き始めた。
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