学舎ハーレム
そして、誰もが高校を決める時期。


「あの…幸大さん。

私、この妃学園に行きたいんです。」

夕日がパンフレットを見せる。


「…そうなんだ。」

「でも…お金がスゴくかかるから…

幸大さん、お金を貸してください!」

夕日が頭を下げる。

「タダでは無理だし、ただお願いされたからってポンと出せる金額じゃないだろ?


この学園に行きたい理由は?」


「私、いつも幸大さんとお兄ちゃんに頼ってばかりだから…


だから、幸大さんやお兄ちゃんに迷惑も掛けるし…

だから私だけでも大丈夫だって…

でも…やっぱり怖いから女子校でって思って…」

「親父さんには話したのか?」


「はい。

でも…お金が厳しいって悲しい顔をさせてしまって…」



「わかった。

金を貸してやろう。

無利子で無期限。

が、タダでは貸せない。

返せなかった時のための担保は?」


「あの…私じゃダメですか?」


「は?

いや…金額的に簡単に返せるモノじゃないぞ?

つまり担保をもらう可能性が高くてな…」

「良いかどうか…で言うとどうなんですか?」

「俺は良いが…」

「交渉成立です。」

「はぁ…

返せなかった場合、担保は必ずもらうからな?」

「幸大さん、大丈夫ですよ。

私、このお金を返す気がなくなりましたから。」

「は?」

「その代わり、担保はしっかりと受け取ってくださいね?」
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