学舎ハーレム
それから数時間が経った。


「校門の外は警察と機動隊に囲まれてるな。」

幸大が言う。


「どうやら莫大な身代金を要求しているみたいね。」

瑠璃はワンセグでニュースを見ながら言う。

「人質を一まとめにしないあたりが中々戦略的だな。」

幸大が言う。

「何でですの?

一まとめにした方が見張りやすいですわ。」

麗美が言う。

「ま、素人ならそう考えるな。


だが、これだけ大掛かりなことをやって特殊部隊まで配備されてる。


人質を一まとめにして見張りをたてても閃光弾で見張りはノックアウト。

人質を解放または保護して突撃。


一網打尽だ。


だが、バラバラなら一ヵ所を制圧しても他の場所で人質を殺されてしまう可能性がある。

だから迂闊に手を出せない。」


「そうか。

幸大君は何でも知ってるね。」

睦月が言う。


「まぁな。」

「それよりどうする?」

渚が言う。

「取り合えず身代金を払って人質を解放ってとこまでは手出ししない。

人質が多いと危険も多いからな。


お前ら、親には身代金は払わなくて良いって電話しとけよ?」
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