学舎ハーレム
結局


「全員、校門を出たな?」

幸大が即席で校門の鍵を作った。

ガチャンッ、

幸大は外側から鍵をかけた。



「そう言えば皆さんは遅くなってますけど大丈夫なんですか?」

夕日が言う。

「私は一人暮らしなので心配ありませんわ。」

麗美が言う。

「私は先ほどお友だちと一緒に帰るとのメールを送りましたのでこの時間でしたら許容範囲なので大丈夫です。」

閖が言う。

「家は両親とももっと帰りが遅いし、そもそも私のことなんかほとんど心配してないから。」

真知が言う。

「子供の心配をしない親…か。

金持ちの心は理解できねぇな…」

朝日が言う。


「皐は?」

幸大が言う。

「今、メールの最中。

…大丈夫みたい。」

皐が言う。

「大丈夫みたいって?」

真知が言う。

「お母さんが誰といるのか聞いたから答えたら、

『男の子と一緒なら朝帰りも可


P.S.

孫は男の子を希望』

って返信が…」

「とても心の広い母親だな…」

幸大が言う。

「幸大さんのお家は大丈夫なのですか?」

閖が言う。

「ああ。

俺も一人暮らしだからな。」

「夕日ちゃんたちは?」

皐が言う。

「私には気をつけて帰ってきなさいって。


幸大さんは私たちの両親に信用されてますから。」

「俺に至っては

遅くなるってメールしたら

『どうでもいい』

って…

まぁ、幸大と一緒なら両親はだいたいのことは許してくれるからな。」

こうして転校初日は終わりを告げた。
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