学舎ハーレム
「幸大君は策士だからね〜。

皆、貸しやら何やらで幸大君から離れることはできないもん。」

皐が言う。


「ええ…


あなたたちに私の苦しみがわかるわけがない!!」


閖が幸大に向かいモデルガンを構えた。


「わかるわけがない…か。


わかりたくもねぇし、当然俺にはわからん。」

幸大が言う。


「何を…」

閖がモデルガンのトリガーに指を掛けた。


「俺は生まれた頃から親も、じいちゃんも金持ちでな…

温室育ちの極みみたいな生活だった。

だから、わからん。

でもよ…


お前はわかってもらおうとしたか?」


「な!?」

「俺は順風満帆な生活だし、苦労なんてほとんどない。

会社を立ち上げたら結構すぐに軌道にのって、大企業になったしな…」



「でも…俺自身じゃ無理だった。

親やじいちゃんがいて、それで裕福な暮らしだった。

会社を立ち上げた時も俺は社長を名乗っただけで経営のスペシャリストがいなけりゃ大企業にならなかったと思う。



それに、今だって俺が学生をやっているのも…

俺の代わりにやってくれる人がいて、俺がいなくても何とかなるように会社を支える社員もいて…


だから俺は自分では何もしてない。

皆が俺の代わりに稼いだ金を俺が使ってるだけだ。」
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