学舎ハーレム
「6発の弾だ。


つまり…」


パァンッ!


乾いた破裂音。

地面に銃弾が回転しながらめり込んだ。


「ロシアンルーレットは弾を入れて回す人間と、


先攻、後攻を選ぶ人間とがいる。


弾を入れた方はリボルバーを回した時、自分が何処に弾を入れたかわかるし、リボルバーの回転の音でどのくらい回転したかわかる。


そして、手のひらを使って回転させる時はリボルバーが一回転するにはどのくらい回転させたら良いかが分かりやすくなる。


つまり…俺は6発目に弾があることがわかってた。」


「…え?

じゃあ…知ってて…」

閖が言う。

「勇気を試したんだ。

命を賭ける勇気があるか…

引き金はひけるか…」


「あ…

この前の…タンブリング・ダイス…」

睦月が言う。


「そうだ。

実際に弾が撃たれるかどうかじゃない。

引き金を引くかどうか…だ。」


「あの…

じゃあ…賭けはどうなったんですか?」

閖が言う。


「ん?

ああ。

お前の勝ちだ。」


「でも…うやむやに…」


「違うさ。

6発目に弾が入ってて閖が先攻を選んだ。


つまり…あのまま繰り返していたら6発目は俺の頭に当てられる。

だから、閖の勝ちだ。」
< 237 / 251 >

この作品をシェア

pagetop