学舎ハーレム
「あ、私はこれから転校のことで先生に呼ばれてますので。

失礼します。

あ、送別会、楽しみにしていますね?」



閖が出ていった。


「さて、送別会はいつにする?」

朝日が場を取り持とうとする。


「なんか…

腑に落ちないな。」

幸大が言う。

「どうかしたんですの?」

麗美が言う。

「なんか、引っ掛かる。」


「私も君に同感だ。

今の彼女は少し変だった。」

渚が言う。

「え?

いつも通り…というか、こんな話するんだから変だったとしても…」


「そこが…だ。」

幸大が言う。

「私にはいつも通りだったけど?」

「そう。

君たちは皆、閖君との付き合いが長いからわからないんだろう。


こんな話をしてるにもかかわらず普通であったということだ。」

渚が言う。

「でも、閖さんは悲しそうな顔でしたよ?」

夕日が言う。

「その表情さえもがまるで作業の一環に見えた。

さっきの閖の話は全て何か…

計画的というか…」


「仲間を疑うなんて信じられませんわ!」

麗美が言う。

「疑ってるんじゃない。

ある意味、心配してるんだよ。」

「でも、二人の勘違いってことは?」

睦月が言う。
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