学舎ハーレム
「じゃあ一生返せないの?」

皐が言う。

「いや。

期間を決めた契約だから俺が一度も使わなくとも期限切れになる可能性がある。」

「何だかんだで幸大君は優しいね。」

睦月が言う。

「なら…

…。

どうしたら戦ってくれるのかしら?」

瑠璃が言う。


「なぁ、ちなみに渚と部長とは何かあったのか?」


「まぁ…直接的には…その…」

「…。

君には話しておこう。


実は…」

渚が語る。

―あれはまだ私たちが小学部の低学年だった頃の話だ。


私と睦月、それに瑠璃。

それぞれの父親はそれぞれに会社経営をしていた。

つまりは社長。

さらに、この三社は業務提携、三位一体となり経営していた。


そこにとある一大プロジェクトが持ち上がった。

が、それには問題があった。

三位一体の中から一社を切り捨てるということ。


そして、最終的には瑠璃の父親の会社を切り捨てた。

さらに、酷いことに残った二社の汚点


借金や違法。

書類偽造など様々な表沙汰にできないことをすべて押し付けた。

マスコミなどにはその汚点は全て瑠璃の父親の会社の独断でありそのせいで三位一体を切り捨てた。

そういうシナリオが実際に起きた。

そういうことさ―


渚が語り終わるとふぅ、と息を吐く。
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