学舎ハーレム
「なぁ、幸大はやっぱり家のことは隠すのか?」

朝日が言う。

「ああ。」

「せっかく世界一の金持ちなんだからよ、公表したら女には困らないだろ?」

朝日が言う。

「金でなびくなら別に公表しなくても手に入る。


下心だけですりよってくる奴には興味ない。」

「そのくせ、将来の目標はハーレム。

まったく羨ましい限りだよ。」

「下心を持つのはお前だけで十分だよ。」

「俺はそんなつもりは…」

「この前、ゲームの発売日の2ヶ月前に特別に売ってやったよな?

しかも半額以下の値段で…」

「下心の一つや二つを受け入れる幸大はスゴい奴だ。」




転校生の集合場所に二人がつく。

「えっと…

日高、朝日君。

岡田、幸大君。」

教師らしき女性がリストを見ながら確認する。


「えっと、岡田君。」

「はい?」

「そのアタッシュケースは?」


そう。

先程から当たり前のごとく、幸大はアタッシュケースを持ち歩いていた。

「通学鞄だと思ってください。」


「あの、指定の鞄は?」

「それも持ってます。」

「じゃあ、このアタッシュケースは?」

「…。

ジャージ入れみたいなモノです。」


「…まぁ、わかりました。


えっと、集会が始まりましたら一人ずつ壇上にあがって自己紹介してもらいます。」

教師らしき女性が説明を始めた。
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