学舎ハーレム
夕方

妃学園

保健室


「…ん。

あれ、私…」

「姉さん!」

「…。

皆…

そっか…私は負けたんだ。」

瑠璃が言う。

「はい。

最後にけっこう強いのを腹に。

ここは妃学園の保健室です。

姉さんに迷惑がかかると行けませんから仲間内でこの学園の生徒以外は解散しました。」


瑠璃が身体を起こしてあたりを見ると数人の仲間が残っていた。

「…そっか。」

「姉さん!

あいつとの賭けなんか守らなくて良いですよ!

姉さんがあんな野郎の言いなりなんかになったら何をされるか…」

「…でも、賭けは私から仕掛けたんだし。」

「だったら私たちが姉さんを賭けてあいつと戦って…」

「無理よ。

彼は私相手に本気なんか出してなかった。

今回の戦い方を抜きにして真っ向勝負でも確実に勝てないわ。」

「姉さん…」

「はぁ…

それにしても何回も叩かれたし、アザになってる?」

瑠璃が頬を指さす。

「いえ。

アザどころか手形もないですし、しかももう赤くもないですよ?」

「…あんなに叩かれたのに?」


「はい。

あ、鏡です。」

手鏡を渡す。


「…。」

「それから殴られた腹も悪いとは思いつつも一応見ましたがそこもなんともありませんでしたよ?」

「…踏まれた手首も平気。」

「姉さん、取り合えず今日はもう帰りましょう。

外も暗くなりはじめてますから。」
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