学舎ハーレム
教室

「読み終わったか?」

幸大が言う。

「ああ。」

朝日は幸大に言われて一人でラブレターを読んだ。

「ところで、なぜ私たちは読んではいけないのだ?」

渚が言う。


「朝日のために書いたモノを読むわけにはいかないだろ?

もしかしたら書くのに勇気が必要だったかも知んない。

だから朝日が一番最初に一人で読むのがせめてもの礼儀だろ?」

幸大が言う。



「やっぱり、こっちが本性ね?」

「瑠璃…。」

渚が言う。

「ん?

ああ、おはよう。」

幸大が言う。

「おはよう。


で、昨日のは見事な悪役だったわよ。」


「…何のことだ?」

「惚けなくても良いわよ。


渚と睦月が告発したから。」


「な!?」

「瑠璃ちゃん!?」



「…これでチャラとは行かないけど手打ちでどう?

あんたたちの親が私の親を裏切った。

私は今、二人を裏切った。」


「瑠璃ちゃん…」

「瑠璃…」


「感動のところわるいが…

部長、渚…

どういうことだ?」




「ごめんなさい。」

「すまなかった。」


睦月と渚は床に正座させられ、太ももに仲間内からかき集めた辞書が乗っけられた。

「まるで抱き石という拷問ですわ…」

「でも、それって座る場所がボコボコしてる場所だよね。」

皐が言う。
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