散歩猫の奇怪な学園行脚
誰かご飯くれる人いないかな…。

トテトテと屋上を歩いていると。

『あれ?』

無口な女子生徒が快の姿を見つけた。

『快君来てたんだねー』

微かに微笑む彼女の手には、何やらいい匂いのする包み。

美味しそうな匂いだなぁ…。

『あ…』

快の視線に気づいたように、女子生徒は後ずさる。

『こ、これは駄目だよ…これは龍太郎君に…』

一歩二歩と下がって。

『ごめんね快君!』

無口女子生徒は走り去ってしまった。

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