散歩猫の奇怪な学園行脚
お腹すいた…。

そろそろ背中とくっつきそうだ。

ヨタヨタと歩いている快の前に。

「はい」

エビフライを差し出してくれたのは、今朝の方向音痴の女子生徒だった。

「困った時はお互い様だからね…って、助けられてはないけど」

苦笑する女子生徒。

「何だ、美葉は快に世話になったのか、なら俺も」

彼女の弟は白身魚のフライをくれる。

「快、お腹減ってるの?」

蒼い髪のロシア人の女子生徒はピロシキを少し分けてくれた。

「じゃあわらわもやるのじゃ!」

浅黒い肌の女子生徒はカレーパンを丸ごとくれる。

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