散歩猫の奇怪な学園行脚
引き続き塀の上を歩いていると。

「あら快、今朝はご機嫌如何?」

言葉遣いの丁寧な、金髪ショートの女子生徒がニッコリ微笑んだ。

この子も顔見知りだ。

友達の、人間に変身できる黒猫とよくいる女の子。

いつも友達に美味しいお菓子をあげている。

たまには僕にもくれよぉ。

ヒョイと塀から飛び降りて、足首の辺りに纏わりついてゴロゴロ喉を鳴らしてみる。

「まぁ…」

なんてお上品に声を上げ、その女子生徒は苦笑いしながらお菓子ポーチを取り出した。

「先輩といい快といい、おねだりが上手ですわね…これはお菓子を多めに準備しないといけませんわ」

そう言って、小さなマカロンを口元に寄せてくれる。

パクッと口にすると、とろけるような食感と甘い味が広がった。

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