散歩猫の奇怪な学園行脚
朝から幸先のいいスタートだ。

ご機嫌の体で歩く快は。

「……」

校門の所で、浅黒い肌の男子生徒と遭遇する。

いや、男子生徒とは違うのか。

制服は男子生徒用だけど、こいつは女の子だって聞いた事がある。

いつも無表情、右と左の瞳の色が違う、ダンマリな生徒。

何だか凄く偉い奴らしくて、天神学園では皆に恐れられているらしい。

快もあんまり得意ではない。

だってコイツ、黄金色の片目でまじまじと見つめてくるんだもの。

逃げようかどうしようか、少し身を硬くして考えていると。

「……」

気配すら悟らせず、その生徒は素早く快を抱き上げた。

え?

いつの間に?

快が目を白黒させていると。

「ここらを歩いておっては危ないぞ。車も結構通るからのぅ」

抑揚のない声でそう言って。

生徒は快を塀の上にチョコンと座らせた。

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