散歩猫の奇怪な学園行脚
塀の上に上げられたついでだ。

塀伝いに快は学園の敷地内へと入っていった。

校舎の中は一段と賑やかだ。

その中でも忙しそうにしている一室。

部屋を示すプレートには『生徒会役員室』と書かれている。

数人の生徒会役員とやらが、アタフタと書類やら何やらを手に行ったり来たりしている。

その中でただ一人。

「……」

美しく長い白髪の女子生徒が、穏やかな笑みを湛えて座っていた。

(みんな忙しそうにしてるんだから、少しは手伝ってあげればいいのに…)

心の中で密かに思っていると。

「あら」

その女子生徒は快の方を見て…いるのか見ていないのか分からない瞳で、コロコロと笑った。

「生徒会の長というものは、大きく構えている事も仕事の一つなのですよ?快君」

えっ!

この子、僕の考えている事がわかるのっ?

< 5 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop