散歩猫の奇怪な学園行脚
そうこうしているうちに。

「!」

校内にチャイムの音が響いた。

知ってるよ、朝のホームルームの始まりのチャイムなんだよね。

これが鳴ると生徒達は教室に入るから、校舎内は急に静かになって誰もいなくなる…と思ったのに。

「お、快君じゃん」

まだ廊下をのんびり歩いている女子生徒がいた。

こんなに呑気に歩いていていいのかな。

もうすぐ授業始まるんじゃない?

そんな事を思っていると。

「ねぇ快君、試しに訊いてみるんだけど」

女子生徒はヒソヒソと快に耳打ちする。

「私の教室どこか知らない?あと、弟ともはぐれちゃったんだけど…」

あぁ…この子方向音痴なのか、しかも姉弟揃って。

残念ながら、僕じゃあ助けてあげられないなぁ…。

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