1407号室においで
「???何??なんなの、どういうこと??」
状況把握が出来なくて、不本意にもオロオロしていると、春日兄がいかにもすまなそうに話し掛けてきた。
「‥‥‥‥実はな、朔夜‥‥」
「‥‥な、なんだよ春日兄」
この流れって、よくドラマとか漫画でベタな「お前はウチんちの子供じゃなかったんだ」みたいな流れじゃないのか??
なんでいきなりそんな流れなんだ??あのさっきの悪夢のせいか!!!?ふざけんな悪夢めが。
正直聞きたくなんてないが、はっきりしないのは嫌いだから聞くことにする。
「朔夜。お前は、婚約者が、いたらしいんだ」
「‥‥‥‥‥は??」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥はい、なんて???
婚約者??
「なにそれ。新しいコンニャク??春日兄の会社、コンニャクにも手を出すの??」
「ああ、我が妹よ!!!ついに頭までイカれてしまったか‥‥‥!!!」
「●●●にリップクリーム突っ込むぞ」
「よかった!!!いつもの朔夜だ!!!!」
こんな兄は、どうかと思う。
「大体、なにその『らしい』って。不確定要素入ってんじゃねぇか。不確定な婚約者ってなんだ」
「うぅ~‥‥‥お兄ちゃんもわかんないんだよ‥‥。本人はそう言い張ってるんだけどね」
そう言った春日兄の視線の先を、俺も追って見やった。