1407号室においで
「‥‥‥‥そんな、そんなガキの口約束みたいなのを、真に受けたのか、貴様は」
「うーん、口約束じゃないと思うヨ」
「‥‥‥‥‥‥‥なに??」
「だって、例のプロポーズのあと、キミからキスしてくれタシ」
キャッ♪とはしゃぐ姿は、とても幸せそうだ。憎らしいくらいには。
もう、絶望感しかねぇ。
なんでこんなやっちまった感に苛まれなければならないんだ。一回の過ちで子供を作ってしまった並みにやっちまった気がする。
「‥‥‥‥‥‥春日兄、覚えてる??」
多分放心状態だから、あんまり返事はあてにしていなかったが、ぼそっとした言葉が返ってきた。
「‥‥‥‥多分、分からない。朔夜が四歳だと、俺が十一歳か。確か俺の林間学校と被ったんだよ。母さんがなんか話してたのは覚えてる」
「景兄と凪兄は??」
「「六歳じゃあんま記憶薄いなぁ‥‥‥」」
証人がいないのでは、下手に反論も出来ない。使えない兄らだ。