1407号室においで
‥‥‥‥‥‥もう、だめだ。
こいつが俺の婚約者とか、あり得ないだろ。
もう後は母さんしか頼みの綱はない。
「春日兄、母さんはどんくらいで帰ってくる??」
「ああ、そろそろだと思うぞ」
「ただいま帰ったぞ皆のしゅー!!!!」
そう言っていたら、バーン!!!と、ドアを蹴散らさんばかりの勢いで母さんが帰ってきた。
後は全て母さんにかかっている。頼む母さん、なんとかしてくれ。
しかし、現実なんてそう甘くないし、都合よくない。
「あっれー!!??お客様がいると思ったんだけど、もしかしてレイちゃん!!!??」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥誰、レイちゃんて。
とりあえず母さんが、この外人を知っているのは確かなようだ。
「朔夜よかったねぇーー!!!あのときは別れたくないってわんわん泣いてたからねぇ。あ、ごめんなさいね、今お茶淹れるから。真崎ちゃんもお久しぶり。もう春日ったらお客様に失礼でしょう???」
妙にニコニコと嬉しそうにしながら、母さんがお茶を淹れ始めた。
背中では嫌な汗が滝のように流れている。