1407号室においで
まぁ、正直男のほうが楽だしいいんだけどな。
「あ、春日兄。俺もう学校だから行くわ」
「もう!!一人称は俺、じゃなくて私、でしょ??」
そういって、満面の笑みでちょんっと俺のおでこを押す春日兄。
正直、キモいと思う。
ただ、キモいって言うと一週間再起不能になって家事が滞る為、敢えて言わない。
しかしこんなキモい社会人、よく会社は採用したなと最近思う。
あ、春日兄は大手企業で働くエリートサラリーマンだ。
「はいはい。じゃあ行ってきます。景兄、凪兄行くぞ」
「「りょーかーい♪」」
「じゃ、行ってきます。春日兄。家事頼む」
「はぁい♪行ってらっしゃい」
双子の景兄と凪兄は同じ高校だ。
俺は一年で二人は三年だが、なんだかんだ二人がよく俺のクラスまで来るから、あんまり家と変わらない状態だ。
いや、ある意味家より酷い。
なにせ二人ともイケメンだからな。まぁおんなじ顔だが。
ともかく、そんなイケメンが生息していて、よく俺につきまといにくる為、周りの女子の騒ぎ具合が半端ではない。
キモい春日兄だってなんだかんだイケメンだ。
ひとえに、うちの母と父が原因だろうが、何故か俺は上の三人みたいにイケメンではない。
神様とかいるなら、この世の不条理について聞いてみたい。全くもって不公平だ。